Episodio 61 シチリアのシンボル『トリナクリア』

いらっしゃいませ、Mia Preferitaです。
前回でシチリア島を舞台にした映画「ワン・モア・ライフ」を
ご紹介いたしました。
今日は、その舞台となったシチリア島を超簡単にご紹介してみます。
と言っても、観光案内ではありませんが・・・

ブーツの形をしているイタリア本土のつま先に
チョンと乗っかっているような、
蹴られているような島がシチリア島。
地中海の真ん中に位置し、地中海最大の島だそうです。

本土からシチリア島へは、フェリーに列車ごと乗り入れます。
他にも手段はありますが、
私はいつか列車ごとフェリーに乗って訪ねてみたいのです!

シチリア島には、3000年前から海を渡って様々な国から人々がやって来ました。
長い年月の間に訪れた人々が自国の文化、伝統などをもたらすことによって、
シチリアに様々な文明が根付いていきました。
東からは島の礎を築いたギリシャ人、
北からはローマ人、
南からはイスラム教徒が、
西からはノルマン人やスペイン人が。
文明の十字路として数多くの人々が行きかいました。
それぞれの地の文明が島に根付き、
現在でも私たちを魅了しているのです。

州都パレルモの起源は、
紀元前にフェニキア人が築いた港町に遡るといいます。
最も栄えたのは12世紀。
北から来たノルマン人がイスラムの支配を開放し、
ノルマン朝シチリア王国を築きました。
そのシチリア王国は
皇帝フェデレリーコ2世の時に最盛期を迎えました。
世界遺産のプーリア州にある八角形のカステル・デル・モンテは
彼によって建てられました。
 ←世界遺産「カステル・デル・モンテ」
余談ですが、「カステル・デル・モンテ」というワインもあります!
彼の死後、フランスやスペインがシチリアの支配者となり、
やがて1860年、イタリアに統一されたのです。

***** 参考図書 ******
『物語 イタリアの歴史』
中公新書 藤沢道郎著
第四話 皇帝フェデレリーコの物語
   

『皇帝フリードリッヒ2世の生涯』
新潮社 塩野七生著

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陶器好きの私にとって外せないのは、
絵タイルで有名な「カルタジローネ」
中世時代にスペインからマヨルカ焼の技法が伝わり、
今日の色鮮やかな陶器の源流が形成されました。

そして、そして・・・
シチリア州旗のデザインになっている不思議な人の顔と三本足。

『トリナクリア』と言って、
「三つの岬を持つ島」という意味を持つ古代ギリシャ語なんだとか。
メッシーナ、マルサーラ、パキーノの三つの岬を三本足が指し示しています。
中央の顔は・・・
その目を見た者は石に変えてしまうというギリシャ神話のメドゥーサ。
州旗のように髪が蛇ではなく麦の穂になっているものもあります。
麦の穂バージョンは、シチリアの肥沃な大地の
「大地母神」であることを表しています。

また、シチリア島に伝わるギリシャ神話による別の説もあります。
元々太陽神ヘリオスの住む島だったことから、
顔は太陽、足は四本足で、四季を表していました。
ところが温暖な気候のシチリアには冬が無い、とされていたため、
四本足から三本足になったのだとか・・・

遥か昔の紀元前に
ギリシャ人がこの島に文明の最初の花を咲かせた
証なのでしょうか。

 

末筆となりましたが・・・
コロナ禍の深刻な状況が
一日も早く改善されますように
まだまだ戦いは続きます。
今は不自由でも、希望の灯は決して消さないように!
今は不自由でも、笑顔を忘れないように!
だって「笑う門には福来る」って言うではないですか (・∀・)
また災害で大変な思いをされている皆様には
心からお見舞い申し上げます。
すぐに過ぎ去る春を楽しみましょう。
どうぞご体調崩されませんように!!

Ci vediamo!!

 

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