Episodio50 クリスマスに欠かせないプレゼピオ

いらっしゃいませ、Mia Preferita です。

前回、12月8日は「無原罪の御宿りの日」の祝日で、
この日を境にクリスマス準備が始まるとご紹介しました。

日本の教会もそうなのですが、
イタリアの教会や街中でもイエス様ご降誕の場面を再現した
馬小屋の模型を目にします。
ご覧になったことがある方も沢山いらっしゃるのでは?
この日を境に模型を「プレゼピオ」と呼ぶのですが、今日はこのお話を。

* プレゼピオ Prezepio とは

イエス様のご降誕の様子はマタイ、ルカの福音書で伝えられています。
11世紀頃から教会や修道院で作成されるようになったと言いますが、
アッシジの聖フランチェスコが一番最初に、
イタリア中部のグレッチョという小さな街が発祥の地です。
イエス様がお生まれになったベツレヘムやパレスチナの聖地巡礼で
強く心を打たれた聖フランチェスコは、
1223年クリスマス、グレッチョの洞窟に
藁の入った飼い葉おけとロバと牛を連れてきて、
イエス様のご降誕シーンを再現しました。
読み書きの出来ない人たちもこの洞窟を見ることで
イエス様ご降誕の様子をはっきりイメージする事が出来たといいます。

⁂Instagram @larepubblicaで
アッシジ聖フランチェスコ大聖堂のプロジェクト・マッピングを見ることができます。

16世紀以降になると、イタリア各地、南ドイツ、スペインへと広まっていきました。

* ナポリのプレゼピオ

さて、イタリア全土に広がったプレゼピオは、ナポリでさらに発展しました。
17世紀頃にはイエス、マリア、ヨゼフなどの人形も作られ、
人形を作る専門の職人 Figurinaio も増え始めました。
基本形の「イエス、マリア、ヨゼフ、ロバ、牛」に加え
日常生活の人物や建物などを取り入れるようになりました。
イエス様ご降誕を祝うひとつの街が出来上がる、というイメージですね。
18世紀になると王宮や貴族の間でも楽しまれ、
立派なプレゼピオを飾ることが彼らの誇りとなったのです。

18世紀末~19世紀にかけて、一般市民の間にも普及し始めました。

ナポリの下町サン・グレゴリオ・マルメーノ通りは、
プレゼピオ専門店が一年を通して軒を連ねています。
  

* プレゼピオの飾り付け

基本形はイエス、マリア、ヨゼフ(聖家族)とロバ、牛。
飼い葉おけを見守るマリアとヨゼフ。
実は12月24日までは飼い葉おけにイエス様はおられません。
深夜25日になると、飼い葉おけにイエス様の人形を置いてご降誕をお祝いします。
ロバと牛は、イエス様を温めた動物なのだとか。
1月6日になると東方の三賢者が加わります。


2012年11月にナポリのカポディモンテの工房を訪れた際、買い求めました。
カポディモンテ焼のプレゼピオです。

* イタリアで見たプレゼピオ

冬の季節に訪れた時、街の中や教会ではプレゼピオが飾られていました。
場所によって様々。
2020年1月に訪れた時の写真を中心にご紹介していきましょう。

 ラヴェンナの街角で

  ボローニャ サン・ペトローニオ聖堂にて

  
ローマ サンタ・マリア・イン・アラチェリ教会にて


ローマ サンタ・マリア・イン・トラスポンティーナ教会にて


ローマ サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会にて


ローマ ヴァチカン サン・ピエトロ大聖堂にて

  
ローマ サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会にて(2018.1)


ローマ サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会にて(2018.1)

 

末筆となりましたが・・・
コロナ禍の深刻な状況で今までとは違う年末年始となりそうです。
まだまだ戦いは続きます。
また災害で大変な思いをされている皆様には心からお見舞い申し上げます。
暖房の恋しい季節となりました。
何かと忙しい年末、どうぞご体調崩されませんように
よいお年をお迎えください!!

Ci vediamo!!

 

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