Episodio 40 光と影の画家 カラヴァッジョ(後編)

いらっしゃいませ、Mia Preferita です。
暑さが和らぐ、「処暑」の頃となりましたが・・・
まだまだ暑いです💦

今回も陶器のお話ではなく、
前回に引き続きローマ、カラヴァッジョ、教会のお話しを。
一部忘備録的な所もありますがお許しください。

4 サンタゴスティーノ教会

こちらもナヴォーナ広場から近い所にあります。
サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会を背にして、左へ左へと行くとサンタゴスティーノ教会が見えてきます。

 ←向こう側がナヴォーナ広場からの端っこの小さな広場

 

元々はアウグスティヌス修道会のあったところであり、
歌劇「トスカ」の第一幕の舞台となる教会なんだとか。

 

4-1 ラファエロのフレスコ画

カラヴァッジョの作品に出合いたくて訪れた教会ですが、
実はラファエロの「預言者イザヤ」のフレスコ画があるのです!
キョロキョロ探していると、教会の関係者の方が
「そこ、そこ!」と指差して教えてくれました。Grazie!

これミケランジェロとちゃうん?と思ってしまうほど、
ラファエロの優美さではなく、とても男性的な力強い「イザヤ」に感じました。
このフレスコ画の下には「聖母子と聖アンナ」の彫刻があります。
聖アンナは聖母マリアのお母様、イエス様のおばあ様。

 ←(上)ラファエロの「預言者イザヤ」
(下)「聖母子と聖アンナ」の彫刻  ピント外れでごめんなさい💦

椅子に座って暫しフレスコ画を眺めていると、アンジェラスのお祈りが始まりました。
正面のサンタゴスティーノのステンドグラスに目をやり、
街のおじさま方(いえ、信者さんたち)の唱えるアヴェマリアの祈りで
心落ち着く数分を過ごすことができました。

さて・・・

 

4-2 ロレートの聖母(巡礼の聖母)

お目当てのカラヴァッジョの作品は、左側の入り口に一番近い礼拝堂にありました。
巡礼者がロレートの聖なる家に辿り着いた時に聖母子が降り立った、というシーン。

ロレートは重要な巡礼地のひとつで、
聖母マリアが受胎告知を受けたナザレの家をそのまま、
1294年にマルケ州ロレートに(伝説では天使が)移築したと伝えられています。
これにより巡礼地となりました。
ロレートに巡礼に行くのは、日本でいうと一生に一度はお伊勢参りを!、と同じ感覚なのかしら…。

やっと辿り着いた、疲れ果てた真っ黒な足裏の巡礼者の
目の前に降り立ったマリア様の足は地に着くか着かないか・・・
マリア様手を伸ばす彼らの気持ちが手に取るように伝わってきます。

 

4-3 出産の聖母

サンタゴスティーノ教会はローマっ子の信心の拠り所、と言われています。
なぜなら・・・
入り口の方を振り返れば、この「出産の聖母」がおられます。
たくさんのお供え物がされ、お祈りを捧げている方も見かけました。
子供を授かりたい、安産でありますように・・・
どこの国でも親の気持ちは一緒です。
出産間近の知人に「出産の聖母」のポストカードをあげることにしました。

↑ 慈愛に満ちたお顔 

 

5 サンタ・マリア・デル・ポポロ教会

ポポロ門(建設当時はフラミニア門)の脇に
聖母マリアに捧げる小さな教会の建設資金をローマ市民(ポポロ)が負担したので、
サンタ・マリア・デル・ポポロ教会
と呼ばれるようになりました。
ポポロ教会が建てられたのには次のような伝説があります。

★ ポポロ 伝説 ★
ローマの北門「ポポロ門」の近くに皇帝ネロの墓がありました。
そこに生えている胡桃の木に悪魔が住んでいるといわれ、付近の住民に恐れられていました。
法王パスカリウス2世(1099~1118)がこれをどう退治しようかと考えあぐねていると、
夢に聖母マリアが現れ、
胡桃の木を切り倒し、ネロの遺体を焼き、その灰をテレベ川に流すように
と命じました。
法王は、早速これを実行したところ、それ以降悪魔は現れず、
住民は静かな夜を送れるようになったそうです。
法王パスカリウス2世はこれに感謝しマリアに捧げる礼拝堂を建築したといいます。

ポポロ教会はさながら小さな美術館といったところ。
ラファエロ、ベルニーニ、ビザンチンの板絵、そしてカラヴァッジョ・・・
カラヴァッジョの作品は、教会の奥、主祭壇の近くの礼拝堂にありました。
残念ながら、時間の関係でカラヴァッジョの作品だけを鑑賞。

 

5-1 「聖パウロの改宗」

「目から鱗」ということわざをご存知かと思います。
実は聖パウロの改宗と深く関係のある言葉なんです。
「目から鱗」に縁のあるこの絵を一目みたいと思っていました。

★ 聖パウロの回心 ★
キリスト教徒の迫害者であったパウロは、馬でダマスカスに向かう途中、
「サウロ(パウロのこと)、サウロ、なぜ私を迫害するのか」
というイエスの声を聞き、落馬し、目が見えなくなります。
その後、キリスト教徒のアナニアが神のお告げを受け、サウロのために祈ると、
サウロの目から鱗のようなものが落ちて目が見えるようになります。
こうしてパウロは回心してキリスト教徒となったのでした。
(聖パウロの回心については、使徒言行録 9章 22章 26章に書かれています)

強い光を受けて目が見えなくなり落馬する聖パウロ。
この時点ではまだ回心してない。でも内面では大きく事は起きていた。
強い光を受けたことによって回心へと大きく働きかけられたのでしょう。

聖パウロの教会がローマにあります。
その教会をご紹介する時に聖パウロの回心について、
も少し触れてみたいと思っています。

 

5-2 「聖ペテロの逆さ磔」

イエス・キリストから天国の鍵を受けた初代教皇にあたる聖ペテロ。
キリストと同じ十字架にかけられるのは畏れ多いと、逆さ十字架を望んだといいます。
重量感の伝わってくる絵です。

 

カラヴァッジョの作品を訪ねての旅は一旦終了。
調べてみて初めて分かったことも多々ありました。
知らん事ってほんまたくさんあるわぁ💦

★★★お知らせ★★★
前編、後編で紹介したカラヴァッジョの作品と
(聖マタイの召し出しはありません)
ラファエロの「預言者イザヤ」、
「出産の聖母」のポストカードが数枚あります。
ご希望の方に有料ですがお分けいたします。
メールでお知らせください
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9月から催事出店を再開します。
9月1日~6日まで そごう広島店にて
9月16日~22日まで 熊本鶴屋百貨店にて
たくさんの方に Mia Preferita の陶器をご覧いただけますように!!

BLOG更新は不定期になるかと思います。ご了承くださいませ。

 

末筆となりましたが
一日も早くコロナウイルスが終息しますように。
まだまだ油断禁物です。
九州豪雨で大変な思いをされている皆様には
心からお見舞い申し上げます。
どうぞ熱中症に気を付けて。

季節がら、皆様どうぞお気を付けてお過ごしくださいませ。
Ci vediamo!!

 

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