いらっしゃいませ、Mia Preferitaです。
今日は公開中のイタリア映画「LORO 欲望のイタリア」をご紹介。
BLOGにあげる頃には公開が終わっているかもしれませんが・・・
~ LORO 欲望のイタリア ~
スキャンダルにまみれ、政治を私物化しながらも9年に渡りイタリアの首相を務めた
シルヴィア・ベルルスコーニをモデルにした伝記ドラマ。
「現実と虚像の人物が関わりあう作品」と紹介されています。
因縁の政敵に敗北し、あらゆる手を使い政権に返り咲く
2006∼2010年のお話です。
成功への執着や愛の挫折をめくるめく狂乱と絢爛で映し出し、
男のロマンとメランコリーを表現。
イタリアのオペラの如く、華麗に、荘厳に描かれる数々のシーンは
「美しい」の一言につきるのでは。
そしてまた、このオペラ劇は「喜劇」であり「悲劇」でもあるのです。
仮面のような笑顔が張り付いたベルルスコーニ。
この笑顔が権力者のベルルスコーニを笑いの対象にし、またその内に野望と策謀を秘め、
同時に権力と愛に憑りつかれた空虚な老人としても描かれているのです。
享楽的な生き方を愛し、愛や性を大いに讃えるイタリア人的気質を描いている反面、
ラストシーンの信仰に対する敬虔な思いもまた紛れもなくイタリア人的気質なのです。
「聖」と「性」、「享楽」と「刻苦」の対比が上手く表現されている作品です。
と、ここまではパンフレットや何やかんやを参考にしてご紹介しました。
様々な「欲」を手に入れたと思われる一人の男。年老いてもなお求め続ける男。
でも「欲」は完璧ではないのです。
最愛の妻の愛は手に入らなかったし、手に入れたはずの「欲望」も儚く崩れていく。
そう、イタリア中部地震のように・・・
彼の豪邸に入って行く一匹の羊に始まり、最後の地震で埋もれたキリスト像の救出。
最後の最後に残るのは、心のよりどころ、なのではないかと思えるのです。
私にとって少々難解ではありましたが、翌日、翌々日・・・と日を追うごとに
「こんな事を言っていたのか」「あんな事を表していたのか」と
様々なことに気づかせてくれる作品でした。
今日はこのへんで。またのご来店をお待ちしております。
Ci vediamo di nuovo!
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